ある朝に夫の姿いなくなる  前触れもなく消えてしまった

 

 ある朝に夫の姿いなくなる

 前触れもなく消えてしまった

 

 後日郵便ポストには大量の請求書の束がツッコまれている。誰もいない家には、朝靄を浮かび上がらせるような光が差し込んでいたが、均等に光を浴びた粒子の姿は、ずいぶんモノが動かなかった事実を突きつけている。

 私は一人では行動できない。足が不自由なのもあるが、体のホルモンバランスが異常を起こしやすく、力をうまく入れることができないのだ。円満な家庭に思えた。確かな幸せと自分を騙し続けていたことを知る。

 なぜなら私は驚いていなかった。三年間、当たり前に一緒にいた夫が、急に朝になっていなくなっても私は眉一つ動かさなかった。わかっているのだ。私には当たり前の幸せなんてもてないのだから。

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