カラクリの螺旋がぶつかる音が鳴る  小さな音に耳を澄ました

 

 カラクリの螺旋がぶつかる音が鳴る

 小さな音に耳を澄ました

 

 目の前で三寸ばかりの人形が動いている。螺旋を巻いて動く人形だが、首が上下に振れたり、右手が瓦を割るように上に下に、左手が手のひらを水平に右へ左へ動いている。時間はきっとわずかなものだろうが、カラクリは火のついた導火線のようにやってくる己が止まる時を、知ることもなくただ何の工夫もなく与えられた動きをひたすらに繰り返している。私はその音を聴いていた。

 わずかな螺旋のかみ合わせや、関節が軋む音がたとえ三寸の身であろうと、世界に存在して人の血や肉のように、ある機構を以て影響を与えていることを主張してくる。世界はきっとこのような主張で溢れているのだろう。

 私はその音を聴いて、そしてやはりそのカラクリのように詰め込まれた生を燃え尽きるそのときまで繰り返すのだろう。魂は二つ。けれど二人は完璧に手を取り合って喜んでいる。お祭りの時、幸せ願い手と手を合わせた。自分に感謝をするときは、手と手がしっかり噛み合うものだ。

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