人生で一番憎むあいつが死んだ  満面の笑み事情は知らぬ

 

 人生で一番憎むあいつが死んだ

 満面の笑み事情は知らぬ

 

 美味しいハンバーガー屋さんへ来ていた。ハンバーガー屋さんといえば、エムの付く店舗が目立つし、そこをおいしいと喜ぶのは、よほど食に飢えた人間だけだが、今回訪れたのは素直に美味しいと舌に圧倒的旨味を感じることができるハンバーガー屋さんだった。

 あまりに美味しいためその店舗にゆくときは、外を歩いているときから頭の中で何度も食べるシュミレーションが繰り返されて、空想の中で三度の飯より多く食べている。この日ももちろん、向かう途中で二度は頭の中でその店舗のハンバーガーを食した。もちろん美味しかった。

 候補はいくつか出そう。それは食事を選ぶときのルールとしてある。だいたい食べたいものは決まっているのだが、万が一、選択ミスを防ぐためにいつもいくつか候補を出している。候補はいくつかでた。

 ハンバーガーショップ、ラーメン屋、タイ料理、窯焼きピザ。

 答えは決まっているのだが、やっぱりこれだ、という確信を持ってお店を訪れたい。これはどちらかといえば、私ではなく伴侶の好みだが、なるべく合わせるようにしている。男の耐性なんてものは、たいていそのためにあるようなもの。

 ただ窯焼きピザは、評価が厳しいグルメサイトで星が4つ付くほどに評判がよく、ピザを食べるならその店、と言われるほどの味。正直ピザでもいいとは思っていた。

 しかしこの日は肉の旨味に脳内が支配されていたのかもしれない。どれだけピザと思っても、チーズの味は舌に感じなかった。逆にハンバーガーのお肉の旨味は、いまかいまかと舌の上にのせられているかのごとく、さぁ味わうぞと肉の味を感じた。今日はハンバーガーで決まりのようだ。

 店舗に入る前にはトイレを済ませ、さぁ万全を期してハンバーガー屋へ。

 この選択が合っていたのは、彼女の顔を見れば一目瞭然だ。

 何があったか知らないけれど、どうやらいいことがあったらしい。国産の高級バーガーが、舌の上で踊っていた。

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