永遠の命を求めた十全と愛に届く

 愛が欲しいとの声は、神様から脳にもらっていた。

 

「心が喜ぶような人生を送りなさい、きっと幸せになれるから」

 

言われたとおりに、過ごそうと励んできたつもりだ。それでも、それが”つもり”だったと気づいたのは私が伴侶を亡くしたときだった。いったいどこが幸せなのか。私の人生において最大の思い人である伴侶を亡くしてしまったのだから、もう私の人生にこれまで以上の光が灯ることはないだろう。心の火はもう消えてしまった。

 

だがそれから十年後、私は笑っていた。満面といえる。幸せを感じている。最愛の伴侶よ、心から愛を伝えたいと思っていた。私は今ここにいる。しかし愛はあなたに届いているのだった。過去・未来・現在論から取り出したか確信は、固い結束を示すかのようにがっちり手を握り合っていた。あなたへと贈る。

 

 空(くう)という世界はこの世の全てで、そして完璧さをもたらしていた。空とは十全である。マスに私をどう入れようがそれは自由である。人は自由である。私の空には伴侶がいた。それはとてつもなく強大で圧倒的で愛情だった。神様もそこへ声を注ぐだろう。愛するならば、それは空となり十全となる。完全なのだ、この世界は。

 伴侶が亡くなったのはあくまでも物質界の出来事。私が生きているのも物質界ではあるが、本質は空であり、どこにでも何もなく、確実に伴侶はいなかった。ただ私には愛があったのだ。とても大切な。

 

それは長く空間に固定され、そして私は過去・現在・未来をまたぎ、愛となった。さらば、とは物質界の解。真実に酔え。私はこの世と名前を付け、パタリと本を閉じてしまえる。それは原っぱのようでもある。そう思った。

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