宝石を用意された日々にきた  感謝を忘れ腹を刺したよ

 

 宝石を用意された日々にきた

 感謝を忘れ腹を刺したよ

 

 感謝していた。とても特別な時間を用意してもらって僕は自分を取り戻した。その手にはナイフ。作ってもらった時間はおいしくておいしくて、人生の幸せがそこにはあった。

 ただ、彼女にとっては自分の幸せをアンパンマンのように差し出したのだ。歪んでいる愛情や幸せ。それでも彼女にとっては本当の幸せなのだ。それを「はい」と差し出した。

 歪めた顔には一片の悔しさと悲しみ。必死に掻き回して掴んだ生の中で生きてきた。首を絞められながら過ごした生誕から今までの時間の中で、ゆっくりと人生の外郭が浮かび上がってくると同時に、自分がその中にいないことが身に染みてわかると言わんばかり。

 この宝石を、彼女に返そう。

 狂気の塊は、そのまま腹に刺さっていった。

 今日もまた何食わぬ顔で生きていく。

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