富士の道蔓延るコケを舐めながら  啜るラーメン空青黒へ

 

 富士の道蔓延るコケを舐めながら

 啜るラーメン空青黒へ

 

 百八十という数字の上を歩いた。足はうまく曲がらず、木を拾っては杖とした。前に出す足はまるで鉄の鎧でも身につけたかのようで、死地にでも赴くような面持ちだった。

 不敵に笑うとは憧れだった。子供の頃、読んだ漫画や小説の主人公は辛いとき笑っていた。それが脳裏に張り付いて、あるべき姿なっている。

歩いた。歩いて歩いて歩き続けた。約5日間、作務衣一枚身につけて、ウィスキー片手に持ちながらサンダルのまま西へ西へと歩いた。

 神奈川、静岡、山の中に入れば、街を忘れ、街を歩けば山を好んだ。

 雨が降り、高架橋の下で眠った。公園のベンチがベッドとなった。

 それは果たして普通なのか。自分にとって、記憶の一ページ。人からしたらそれはなんだ。

 思いを馳せながら、私は何者か、茜の雲に問いかけていた。

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