手は動く音も聞こえる目も見える  生きてこれたらそりゃもうけもの

 

 手は動く音も聞こえる目も見える

 生きてこれたらそりゃもうけもの

 

 当たり前の景色として鳥が囀る。遙か上空を飛行機が飛び、地鳴りのような音が遠方では響いている。風が吹いているのか、窓の外に映る新緑が芽吹いた木々は、その身をゆらりゆらりと右へ左へ揺らしている。

 雲に覆われた空は、地表そのものを保湿パックするようにじめっとした空気に満たした。開いた窓からは足取りの遅い雲がゆっくりと室内を巡り歩いては出口へとゆく。

 ただそれだけだ。

 人生はそれだけで美しい。

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