赤ワイン 窓の向こうで 疲労色  車の話 木曜午後に

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 赤ワイン 窓の向こうで 疲労色

 車の話 木曜午後に

 

 授業が終わると一階の職員室前に設置された公衆電話へと向かう。二階には三階を打ち抜いて作られた多目的ホールがあり、そこには長期期間休みの間に生徒が制作した作品や、公募で賞を獲った絵や言葉がかざされている。その空間を抜けて下の階にあるのだが、その光景から紙芝居のように景色が変わり、私はグラウンドに立っていた。

 学校へ乗り付けた母は、パン工場のパートの合間をぬって私を野球の練習へと送り届け、終わったらまたグラウンドへ姿を現すのだ。

 ありがたかった。なによりも楽しみだった野球の時間。当たり前ではなかったと言われるだろうが、当たり前に感じた。

 そういうもの。

 同じく親孝行も当たり前のことなのだ。無色透明のありがとうにたまには色をつけようと思う。

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