遠い国眺めるだけの喧噪を  雑草むしる味を呟く

 遠い国眺めるだけの喧噪を

 雑草むしる味を呟く

 

 地上の声が遠い、水中に沈んでいるような気持ちがする。種々の生物が跋扈する海ではなく、死人を分解する貯水槽のような水池だ。口端から漏れた空気が逃げ出すように地表を目指す。

 気付かないうちに死んでいるのかもしれない。生に固執していたけれど、いざ死んでみれば、こうして意識だけは残り、生きた人生をこの水池で溶けるまで回想することになっているのか。

 眠気も、食欲も、性欲もある。

 それでも今私は、死んでいるのかもしれない。

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