閉ざされた世界で聞こえてきた声五

Photo by Utsman Media on Unsplash

 話はずっと昔へと遡る。どれくらいかと言えば、今から十年以上前だ。私がまだまだこの世界の初心者で、ゲーム始めたての状態で外の世界へと初めて目を向け始めた頃。(これまではずっとスポーツをやっていた。スポーツの世界は実に閉鎖的だ。業界に属するというのはきっとああいうことを言うのだろう。私はその業界ではある程度満足いく実績や成果を出してはいたが、外へ出てみれば、それはほとんどの人が必要とはしていなかった)

 青と白の空の下、傾斜の続く坂道が多い街の中では私は原付バイクにまたがり、友人宅やカレッジの間、そして煤で作られたような寂れたカラオケ店と肉肉肉の匂いにまみれた牛丼チェーン店でスタッフとして働く、そんな大学生活だった。記憶に残っているのは、ハマリにハマったオンラインゲームと三匹の猫、そして浮気をエンターテイメントへと昇華させてカレッジライフを彩ろうとするイカれた友人のことだ。私はこの友人と親密な友人ではあったが、聞く話聞く話、大事な人がいる人間の言葉としては聞けぬ判断のつかない立ち位置と、学生時代のチームメイトの性色に堕ちた事実に変に気を遣いながら生きることを強いられていた。正直、これまでスポーツに打ち込んできた身としては、これまで日なたしか見ていなかった友人たちの、日の当たらない部分を見せられている気がして、少し落ち込んでしまっていたように思う。

 私は人生においてなにかが欠けていた。

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