閉ざされた世界で聞こえてきた声十三

 私は自分の気づきをSNSの日記に書き、それはもう人生の説明書を手に入れたような思いでその本を読み込んだ。気になる言葉にはボールペンで丸く囲み、気になった考えには矢印を引っ張り、自分なりの解釈を加えていった。

 年間百冊は本を読んでいた私は、これまで培ってきた理解を使い、暗号を解読するかのように作業に没頭した。同時に実践の場を設け、それがいかに効果を発揮するかを確かめた。大学生活の中の半分を占めた対人のオンラインゲームはそうやって始まった。

 成果を求め、仕組みへの理解を深めるべく繰り返された努力は今となっては己の求めるものに対して行うべきだったと強く後悔している。学生時代は25メートルのプールを泳ごうと必死にもがいていたように感じるが、いざ大海原のような社会に出てみれば、そこがいかに練習するのに適していた場所か、外へ出てみて初めて気付く。

 プールの横にある浅い水場で試すようなことなどせずに、はじめからプールないし、大海原で試してみれば良かったのだ。もしそうしていたならば、今の不幸が半分は消えていたはずなのだから。

 ただそんなことをいってもしょうがない。人生は一本道だ。ただひたすら起きたことを書き連ねていこうと思う。

 日々の気づきをインターネットに投稿していたらある日、一通のメールが私に届いた。それは、言ってしまえば魔界からの招待状だったのだが。そのメールを読み私は、魔界へ行くことになる。

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