閉ざされた世界で聞こえてきた声十二

 

 その本はザラリとした恐竜の鱗のような手触りと緑の色合いをしていた。開くと毎朝当たり前にでてくるトーストのように目次が並んでおり、中には使い方のわからない新品の電化製品のような、よくわからない言葉の文字が綴られていた。

 私は急に近所にジャングルが引っ越してきたような気持ちになったが、そのジャングルには見たこともない道具がゴロゴロと転がっていて探検するのに深い興味をそそられるのだった。

 この本から、私のスピリチュアルに対する世界観は始まっているのだが、私にとってこの本は、生涯人生の至る所で思い出すであろうことになるとは思いもしなかった。なんてことはなしに、ちょっと気になって手に取っただけの本だった。人生とはこうやってなんてことはなしに分岐するのだろうと思った。

最新情報をチェックしよう!