閉ざされた世界で聞こえてきた声十

 

 私は料理の節約レシピの本を手に入れようと古本屋へとバイクに跨がった。実家にいるときは料理なんてほとんどしたことがなかった。唯一コロッケや餃子を作るとき、母親に呼ばれて無理矢理リビングで手伝わされた程度である。お米くらいなら炊くことはできる。教わった記憶もないが、洗って水を入れてスイッチを入れる位のもの、と要はそれくらいアバウトで単純な覚え方でしか始められない位、私の料理の腕は素人そのものだったといえる。

 それで節約料理レシピ?できあがるのは三食大量のお米と、お肉、ふりかけ、卵かけご飯に頼った栄養バランスが著しく偏ったとても料理とは呼べない簡単ご飯しか食卓で目にすることはなくなってしまうに違いなかった。

 それはなんとか避けねばならない。有名牛丼チェーン店とカラオケ店のキッチンで働いた事があるが、二度と調理が必要なアルバイトは辞めようと思う程度には料理が嫌いだった。どうにかしよう、という天からの思し召しかもしれないと、私はどうにか料理の知識と技術を手に入れようと本屋へ行ったのだ。

 そこで私は一冊の本と出会った。その本のタイトルが『引き寄せの法則 意志の力』だった。

最新情報をチェックしよう!