黒い影逃げる背を追い路地の角  越えた先からにゃあと一言

 

 黒い影逃げる背を追い路地の角

 越えた先からにゃあと一言

 

 なぜ猫は走って逃げた後、わざわざ立ち止まってこちらを見つめ「にゃあ」と鳴くのか。逃げたいんじゃなかったのか、安全な場所へ行き、安心したいんじゃないのか。こちらを見つめて動かぬその様は、まるでまた走って追いかけてくることを待っているかのようだろう。

 そういえば、と以前聞いた話が頭によぎる。

 猫には『トキソプラズマ』という寄生虫が住んでいて、その虫を人間に寄生させることで自分を養わせるのだという。

 つまり彼らは自分を養ってくれる相手を探しているのかも知れない。だとしたら確かに人を見れない場所まで一目散ーーでは相手は見つからないだろう。つまり猫が立ち止まってこちらを見るのは相手を見極めているのかもしれない。果たしてこいつは私を養ってくれるのかニャン。なんちゃって。

 とにもかくにも彼らは餌をあげればすり寄ってくるし、手ぶらとわかれば、一歩近づくだけでまるで津波でもきてるかのような勢いで走って逃げていくのだ。そして波がこないとわかるやいなや立ち止まり、「どう?養う気になった?さぁ、契約のサイン(餌)を」こちらを見つめてくるのである。

 そうして私には立派なトキソプラズマが・・・そのせいか可愛いと猫を愛でる神経が骨の髄まで染みついてしまった。

 猫猫や

 君と一緒に

 生きたいぞ

最新情報をチェックしよう!